社会変革へのコミットメント尺度の作成―信頼性と妥当性の検討―

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抄録

本研究では、市民が社会変革に関与していくプロセスを分析するために、社会変革へのコミットメン トという概念を提唱し、その尺度を作成し、妥当性を検討した。社会変革へのコミットメント尺度の項 目は、市民参加のタイプを参考に作成された。研究1 では大学生255 名、研究2 では地域活動関与者500 名に質問紙調査がそれぞれ実施された。その結果、社会変革へのコミットメントは、アドボカシー機能 を有する「公正実現行動」、サービス提供機能を有する「コミュニティ活動」、市民育成機能を有する「レ ディネス(ボランティア)」の3 因子に分類された。公正実現行動は、頻度の低い地域活動にも参加して いるような行動レベルでの高関与が抱くコミットメントであると言え、大学生においては寛容的態度を もたらす可能性を有していた。また、コミュニティ活動は、身近な地域活動の範囲にとどまるものであっ た。これに対し、レディネス・ボランティアは、社会変革への熱意に相当する態度的側面であり、大学 生では非寛容を促進するものの、地域活動者では地域活動への頻度を促進するものであった。これらの 結果に基づき、社会変革へのコミットメントが寛容性や市民参加に異なる影響を与えることが議論され た。

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