母親の育児不安を軽減するための一考察 : 社会参加の視点から

書誌事項

タイトル別名
  • A strategy to reduce child care anxiety for mothers : having mothers involved
  • ハハオヤ ノ イクジ フアン オ ケイゲン スル タメ ノ イチコウサツ シャカイ サンカ ノ シテン カラ

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抄録

国を挙げて取り組まれてきた「少子化対策」あるいは「子育て支援」は、ここ数年ブームのようになり大きな広がりを見せている。子育ては多くの人が体験してきたことであるが、現代、日本の子育てが非常に困難化してきた状況から、2003年の厚生労働白書には「育児不安」の項目が取り上げられ、国を挙げて取組む課題となってきた。2002~03年に厚生労働省が行った「第2回21世紀出生児横断調査」においても、「母の就業状況別にみた子どもを育てて負担に思うこと」は、無職・有職者関係なく「自分の時間が持てない」がトップに挙げられていた。本稿では、子育て中の母親意識、特に育児不安の要因を切り口にして、彼女らへの本来的な支援はどうあるべきかについて研究を進めた。子育て期における「母親の精神的な沈滞(落ち込み)」を解決するため、社会から孤立しない母親たちへの支援に着目し、少子化時代において本当に求められている子育て支援の実現について考えた。母親(女性)たちへの支援は、家族を超えたネットワークの構築こそが重要であり、「子育て支援」を「子育て」のみの支援に留めず、「子育て期の女性支援」として、女性の社会参加支援へと繋げる視点が大切であると論じた。

収録刊行物

  • 人間文化研究

    人間文化研究 13 57-73, 2010-06-30

    名古屋 : 名古屋市立大学大学院人間文化研究科

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