古代卜部氏の研究 : 『新撰亀相記』からみる祭祀氏族の系譜

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タイトル別名
  • コダイ ウラベ シ ノ ケンキュウ : 『 シンセン カメソウキ 』 カラ ミル サイシシゾク ノ ケイフ
  • コダイ ウラベウジ ノ ケンキュウ : 『シンセン キソウキ』カラ ミル サイシ シゾク ノ ケイフ

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抄録

卜部氏の職掌は亀卜を行うことだけではなく、大祓にも従事していた。卜部氏の氏文である『新撰亀相記』では卜占の起源のみでなく、大祓の元となったスサノヲ追放神話を詳しく述べ、卜部氏の関わる祭祀の起源を説く。亀卜・大祓などの神祇祭祀に供奉していた卜部氏は、『新撰亀相記』や『延喜式』によると伊豆・壱岐・対馬の三国の卜部氏から取られた卜部である。この三国の卜部氏の系譜には異同や混同が含まれるが、概ね中臣氏と同祖と見て問題ない。宮中の卜部は宮主―卜長上―一般の卜部という昇叙形態をとっており。『養老令』の段階で宮主三人、卜長上二人、一般の卜部最大十五人が取られていた。『新撰亀相記』では卜部の他に中臣・忌部などの祭祀氏族がわずかに確認できるが、『新撰亀相記』に記される神話の殆どが、卜部が関わる神祇祭祀について触れたものである。

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