障害者スポーツに関する新聞報道の変容 : 競技間格差に着目して

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タイトル別名
  • Transformation of newspaper reports on disability sports : Focusing on the gap among disability sport events
  • ショウガイシャ スポーツ ニ カンスル シンブン ホウドウ ノ ヘンヨウ : キョウギ カン カクサ ニ チャクモク シテ

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抄録

本論文は日本における1990年代以降の障害者スポーツの新聞報道を考察するものである。日本において,1990年代以降,障害者スポーツに関する新聞報道は増加し続けているが,こうした障害者スポーツに関する報道の増加を先行研究は肯定的に理解してきた。なぜなら,新聞報道の増加が障害者スポーツの振興・普及につながると考えられてきたためである。  それに対し,本稿は障害者スポーツの新聞報道を競技間格差に注目して分析した。具体的には,パラリンピック種目と非パラリンピック種目,とくに車椅子バスケットボールとツインバスケットボールの報道格差に着目した。  その結果,明らかになったのは以下の点である。それは1)障害者スポーツとパラリンピックに関する新聞報道は増加傾向にあるが,2)パラリンピックに関する報道が増加するにつれ,競技間の報道量の格差が拡大していることである。したがって,障害者スポーツやパラリンピックへの社会的関心の高まりがすべての障害者スポーツにとって望ましいことではない。障害者スポーツやパラリンピックへの社会的関心が高まるにつれて,非パラリンピック種目への関心を低下させるというジレンマを含めて,障害者スポーツの普及や認知度を考えていく必要がある。

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