貨幣保有のいわゆる「金融動機」について : 貨幣的循環理論とケインズ

書誌事項

タイトル別名
  • カヘイ ホユウ ノ イワユル 「 キンユウドウキ 」 ニ ツイテ : カヘイテキ ジュンカン リロン ト ケインズ
  • On the so-called "finance motive" for holding money

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抄録

ケインズは『一般理論』で流動性選好利子論の根拠として人々が貨幣を保有しようとする動機を3つ挙げているが、『一般理論』刊行直後の1937年から1939年までの短い期間にスウェーデン学派のオリーンおよびケインズの後輩筋にあたるロバートソンとこの問題をめぐって闘わされた議論の中でケインズはさらに第四の貨幣保有動機として「金融的動機」を加えた。本稿はケインズのこの十分に展開されなかった概念を吟味して彼の流動性選好利子論の捉え直しを図ろうとする。また、この概念に依拠して貨幣的循環理論がケインズの理論を引き継ぐものだと主張するグラツィアーニらの議論に対しても批判的な論評を加える。

収録刊行物

  • 経済論集

    経済論集 97 41-94, 2012-03-25

    東京 : 大東文化大学経済学会

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