間歇的な機械的刺激は RAW264.7 細胞において破骨細胞分化を抑制する

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タイトル別名
  • Suppression of Osteoclast Differentiation with Intermittent MechanicalStress in RAW264.7 Cells

抄録

骨改造において機械的刺激が重要な役割を果たしていることが明らかとなっているが,破骨細胞の分化誘導系に対し機械的刺激を直接作用させた報告は我々の研究のみである.これまで我々は周期的および持続的な機械的刺激による破骨細胞分化の抑制に関して報告してきた.本研究では,可撤式矯正装置の間歇的な使用による組織変化を想定して,間歇的な機械的刺激を加えた場合の破骨細胞分化への影響について検討した.RAW 264.7 細胞を通法に従い3日間培養した.その後,Flexcell tension system を用い,培養4日目から48時間,伸展率10 %で,合計刺激時間を24時間とし,1,2,3,4,6,12時間毎にそれぞれ持続的機械的刺激と無刺激とを繰り返し,間歇的な機械的刺激とした.48時間無刺激としたものを対照群とした.TRAP 染色にて核数ごとに破骨細胞数を測定し,破骨細胞関連遺伝子の mRNA 発現量をリアルタイム PCR 法にて定量した.全ての実験群では破骨細胞数が有意に抑制された.また,1時間毎の刺激付与群(1時間群)と12時間毎の刺激付与群(12時間群)を比較すると,1時間群において総破骨細胞数は有意に抑制された.特に2,3,4核の破骨細胞数が有意に抑制された.両群のmRNA 発現量の比較では,DC-STAMP および OC-STAMP,CD47 の発現は1時間群において有意に抑制された.12時間群に比べ1時間群では,単核の前破骨細胞同士,および単核の前破骨細胞と2~4核の小数核の破骨細胞との融合に関与している CD47 の発現抑制により,2~4核の破骨細胞数が抑制され,さらに DC-STAMP および OC-STAMP の発現抑制により総破骨細胞数が抑制されることが示唆された.以上から,間歇的な機械的刺激を付与する回数,時間によって細胞融合因子が抑制され,破骨細胞分化を抑制することが示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050001339065038848
  • NII論文ID
    120006727685
  • HANDLE
    2115/75689
  • ISSN
    09147063
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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