Share Offers by Social Enterprises in the UK-BenComs and Community Shares

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  • 英国の社会的企業による株式公募-ベンコムスとコミュニティ・シェアーズ-
  • エイコク ノ シャカイテキ キギョウ ニ ヨル カブシキ コウボ : ベンコムス ト コミュニティ ・ シェアーズ

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本論文は、英国の社会的企業の一形態であるコミュニティ益増進組合(ベンコムス)とその株式公募(資金調達)スキームであるコミュニティ・シェアーズの実態を明らかにしようとするものである。3つの事例を取り上げ、株式公募までのプロセスや組織構造・運営、株式公募の状況について検証し、ベンコムスの特徴とコミュニティ・シェアーズの意義と役割について論考している。その結果からは、ベンコムスが多様性、流動性に富んだ水平的なネットワーク組織であること、専門的サービスの提供をめざす企業体であるが、その活動の多くをボランティア(メンバー)に負っていることが判明した。そのさらなる発展に向けては、多様性や専門性の源泉であり、人材プールであるメンバーの裾野拡大が重要であることも分かった。こうしたベンコムスの特徴が、他の法人形態の社会的企業やチャリティにも該当するかどうかの検証が、今後の研究課題となる。コミュニティ・シェアーズに関しては、資金調達コストが低いうえに、安定的な資金運用が可能である点などが普及につながっている。手続きの標準化や総合的な支援パッケージの存在も普及を後押ししている。他方、コミュニティ・シェアーズは、人的資本の蓄積やソーシャル・キャピタルの醸成、ベンコムスの信頼性向上など非金銭的価値の創出という面でも有益である。コミュニティにとって、コミュニティ・シェアーズがエンパワメントの機会創出、遊休資産の有効活用、地域アイデンティティの形成、新しいネットワークの構築、経済活性化等の面で有意義であることも明らかになった。しかし、コミュニティ・シェアーズがキャパシティに欠ける貧困地域で適用可能かどうかについては疑義が呈されており、その点も今後の研究課題となる。

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