コミュニティ・エンパワメントの視点から見たバンダアチェの復興に関する研究-2004年インド洋大津波後の生活復興、居住移転を事例として-

書誌事項

タイトル別名
  • Recovery of Banda Aceh from the viewpoint of community empowerment- Case of livelihood and relocation after tsunami in the Indian Ocean in 2004-
  • コミュニティ ・ エンパワメント ノ シテン カラ ミタ バンダアチェ ノ フッコウ ニ カンスル ケンキュウ : 2004ネン インドヨウ オオツハ ゴ ノ セイカツ フッコウ 、 キョジュウ イテン オ ジレイ ト シテ

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抄録

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本研究の目的は、2004年に発生したインド洋大津波後のバンダアチェ市及びその周辺地域における復興状況をコミュニティエンパワメントの視点から分析することにある。 具体的には、バンダアチェ市内2カ所及びその周辺地域2カ所の村から、生活復興及び住宅移転に関して、住民アンケート及び聞き取り調査を行った。  バンダアチェには多くの海外NGOからの支援が行われたが、地方政府との調整が不十分であり、効果的な支援についての課題が見られた。一方、主として女性グループへの起業支援が行われ、従来と比較して家計収入の多様化が見られた。さらに、地方政府の下位レベルにある伝統的共同体である村(ガンポン)の果たした役割が大きく、NGOとの調整もガンポンの長等によってなされたケースが多い。また、この地域の主要産業である漁業に関しては、漁業集団及びその長としてのパングリマ・ラウトの果たした役割が大きかった。  このような結果は、コミュニティの単位を崩さない、集団移転等の重要性を示すと共に、コミュニティレベルに何らかの意思決定機能を持つことの意義として、我が国の災害復興への含意として示されたと考える。

収録刊行物

  • 経営と情報

    経営と情報 31 (2), 1-25, 2019-03-29

    静岡県立大学経営情報学部

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