Transfacet screwによる後方固定術が有用であった不安定性を伴う頚髄症の2例

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  • Posterior fixation with transfacet screws in the patients with cervical myelopathy caused by the cervical instability: 2 case series

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抄録

頚椎後方固定術におけるスクリュー刺入法の一つであるtransfacet screwは,そのスクリュー刺入方向から安全性や信頼性が高く,また1本のスクリューが複数の骨皮質を貫くことが可能であることから生体力学的に強固な固定性が得られるスクリュー刺入法である.今回われわれは,不安定性を伴う頚髄症の2例に対して,transfacet screwによる後方固定術を行った.2例ともに過去に頚椎手術を施行されており,術前の画像検査で,小さい外側塊,細い椎弓根径を有していたため,従来のスクリュー刺入法では対応困難であった.また,固定尾側隣接椎体がすでに骨癒合していたためtransfacet screwによる後方固定術が良い適応と考えられた.例ともに術後症状は著明に改善し,最終経過観察時でもスクリューのゆるみや折損を認めていない.小さい外側塊,細い椎弓根径,頚椎術後などの従来のスクリュー使用が困難な症例に対してはtransfacet screwは頚椎固定術の強力なアンカーになり得ると考えられた.

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