高視認性素材を用いた取り組みと課題

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  • Activities using High Visibility Materials and Future Challenges
  • コウシニンセイ ソザイ オ モチイタ トリクミ ト カダイ

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抄録

海外では,路上や作業現場での安全確保や車両事故リスクを減らすため,人を速く認識し暗闇でも目立つように,「高視認性安全服」の着用が義務付けられている。「高視認性安全服」とは,“着用者の存在について視覚的に認知度を高めた衣服” 1)であり,高い視認性のある「蛍光素材」や「再帰性反射素材」が用いられている。しかし,日本での採用は少なく,今後の普及や利用拡大が求められている。そのほかの高視認性素材には,光を蓄え自ら発光する「蓄光素材」がある。暗所での高い視認性が認められており,日常での有効性や視認性について様々な研究もおこなわれ2-4),避難誘導灯に使用されている5,6)。だが,蓄光素材はまだ衣服として利用されていない。蛍光素材や再帰性反射素材とは異なり,蓄光素材は光を蓄えておけば光が無い暗闇でも発光(りん光)する。災害時など,光が無い状態で人を速く認識でき,暗闇でも目立つ高視認性素材として,蓄光素材の活用が期待されている。我々は,これまでに蓄光糸を用いた蓄光布を作成し,その消費性能や視認性,心理的効果,さらに衣服設計を目的とした研究を進めてきた7-9)。本稿では,海外や日本における高視認性安全服の現状を踏まえ,我々が実践した高視認性素材を用いた取り組みを紹介しながら,高視認性素材の今後の課題について考察した。

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