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抄録
本研究では、事例提供者の観点からPCAGIP法の効果を探索していくにあたり、事例提供者の体験をとりまとめ、PCAGIP法における体験の特徴を検討することを目的とした。PCAGIP法にて検討された2つの事例において、事例提供者の発言をKJ法にて分析した結果、事例提供者の体験は3つに分けられた。1つ目は、「見立てや登場人物の状況や関係性に関する情報を説明している体験」、2つ目は、「IP (Identified Patient) や支援対象者に対して事例提供者の想いを含んだ理解を伝えている体験」、3つ目は、「質問を通じて今ここで気がついて支援の方向性について話している体験」であった。考察では、PCAGIP法において、事例提供者の想いが自発的に言語化され、参加者に共有されていくという体験が特徴的であると推察された。また、事例提供者は想いを自発的に言語化していく体験を通して、自分なりの実感を伴ったヒントを見出すことが出来る点が、従来の事例検討法やインシデント・プロセス法と異なるPCAGIP法における特徴的な体験であると仮定された。
特集 : パーソン・センタード・セラピーの展開
収録刊行物
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- 関西大学心理臨床センター紀要
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関西大学心理臨床センター紀要 11 67-76, 2020-03-15
関西大学臨床心理専門職大学院心理臨床センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050002212668112384
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- NII論文ID
- 120006814011
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- HANDLE
- 10112/00019923
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles