当院における超緊急帝王切開術の現状と課題

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  • Current status and issues of extremely emergency Cesarean section in our hospital

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抄録

当院では、平成26年5月より緊急帝王切開のグレード分類運用を開始した。今回、緊急帝王切開を行った症例を対象に検討し、地方における地域周産期救急医療体制の問題点などについて考察した。5年間に当院で施行したグレードA緊急帝王切開は33件、児の出生週数は38週1日(中央値)、Apgar score5分値7.5点、臍帯動脈血ガスpH7.258 (平均値)であった。手術決定から児娩出までの時間(Decision to delivery interval:DDI)は31分(中央値)であり、平日日中は23分、休日は51.5分であった。常位胎盤早期剥離症例では、グレード分類運用開始後にDDIは短縮したが児の転帰は変わらなかった。DDIの内訳では入室または麻酔開始までに時間を要しており、都市部や大学病院のように宿直スタッフを常駐できない地方病院では人的不足が娩出時間遅延の最大要因となっていることが判明した。人的要因確保と共に、それを補うための設備・物品整備やシミュレーションなどの実施が望まれる。

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