特別養護老人ホームにおける新任期介護職員の職場定着プロセス ―職務満足・不満を感じた体験に着目して―

書誌事項

タイトル別名
  • The Workplace Fixation Process of New Care Workers in Nursing Homes:Focusing on the Experience of Job Satisfaction and Dissatisfaction
  • トクベツ ヨウゴ ロウジンホーム ニ オケル シン ニンキカイゴショクイン ノ ショクバ テイチャク プロセス : ショクム マンゾク ・ フマン オ カンジタ タイケン ニ チャクモク シテ

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抄録

本研究は,新任期介護職員の職場定着プロセスを明らかにすることにより,新任期の介護職員は業務上どのような職務満足・不満を感じる体験をするのか,そしてそれらの体験はどのように就業継続や離職に関係しているのかを考察することを目的とする.  本研究では,勤続3年以上の介護職員10名に対しインタビュー調査をおこない,木下の修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した.  分析の結果(【 】はカテゴリー,〈 〉は概念),業務上の不満を感じさせる経験では,入職前の認識と現場実践の違いから起こる【驚きと不安の体験】は職員に戸惑いと不安を感じさせ,先輩職員からのフォローのありようによって離職意向に影響した.しかしながら【驚きと不安の体験】は,【プロの介護施設職員としての成長】を経て,職務満足を感じる経験である【やりがいや喜びの体験】へと変容する循環構造として存在した.  また,新任期介護職員にとって,職務満足を感じ自己有用感を高める体験である〈介護の価値・意味の深い理解〉が就業継続意向に影響することに加えて,〈他人だからできること〉という,利用者と適度な距離感を保つことや,無理をしすぎないなどの職務上の割り切りをおこなうことが,バーンアウトの防止や就業継続に影響することが明らかになった.

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