<研究論文>形容詞はどこへ行ったか?ジンポー語の事例

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  • 倉部 慶太
    東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

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タイトル別名
  • <Articles>Where have all the adjectives gone? The case of Jinghpaw
  • Where have all the adjectives gone? The case of Jinghpaw

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抄録

形容詞類のサイズは言語ごとに異なる。本稿では、ジンポー語形容詞類のメンバーシップを検討し、ジンポー語が1ダースを超えないメンバーからなる小規模な閉じたクラスの形容詞類を持つことを示す。加えて、フィールドワークにより蒐集した一次資料に基づきながら、ジンポー語形容詞を品詞論、意味論、統語論の観点から検討する。品詞の観点からは、否定辞付加可能性、ムード・アスペクト標示などの点で、形容詞類が動詞類に観察される多くの特徴を示すことから、ジンポー語形容詞類は動詞類のサブタイプとして位置づけることができることを述べる。意味論的観点からは、ジンポー語形容詞は「大きさ」「新しさ」「価値」「色」という形容詞の4つの典型的な意味タイプに収まることを示すとともに、この言語においてはほかの属性概念が状態動詞として語彙化されていることを指摘する。統語的観点からは、ジンポー語形容詞が叙述と修飾の両機能を持つことを示すとともに、その形態統語的特徴を検討する。

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