フィンランドの看護師とゲロノミの基礎教育課程における認知症看護・ケアの教育 : セイナヨキ応用科学大学の先駆的な実践

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  • フィンランド ノ カンゴシ ト ゲロノミ ノ キソ キョウイク カテイ ニ オケル ニンチショウ カンゴ ・ ケア ノ キョウイク : セイナヨキ オウヨウ カガク ダイガク ノ センクテキ ナ ジッセン

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抄録

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[要旨]本研究の目的は,看護基礎教育課程における認知症看護実践能力修得に向けたカリキュラムの開発に向けて,フィンランドのセイナヨキ応用科学大学の看護師とゲロノミの基礎教育課程における認知症看護・ケアの教育の特徴を具体的に明らかにすることであった.セイナヨキ応用科学大学において看護師とゲロノミの基礎教育課程の教育に関わっている教員と実習指導者,合計5名に対し,教育の特徴についてインタビューを実施した.得られた語りから看護師およびゲロノミの基礎教育課程における基本的考え方,講義,演習,実習における主な教育手法,工夫点などについて抽出し,簡潔に記述した.両課程は成人学習理論に基づき,認知症高齢者の尊厳を尊重することを重要視する教育が行われていた.看護基礎教育課程では認知症看護に特化した科目は開講されていないが,老年看護学に関する科目の中で認知症看護についても学習内容に含まれ,インターネットを活用した学習も展開されていた.実習ではメモリー協会などが作成しているパンフレットを利用して認知症高齢者をケアすることも行われていた.ゲロノミ基礎教育課程では,認知症高齢者のケアという科目があり,認知症の進行予防によって自宅で長く生活できることを目指すものであった.認知症ケアについての管理や開発などの科目も設定され,自宅で生活する認知症高齢者を含む高齢者を訪問して,生活をより良いものにするために検討したり,プロジェクトに参加したりしながら学べるようにしていた.以上より,日本の大学の看護基礎教育課程においても,成人学習理論と認知症高齢者の立場に立つことを基盤とし,学生自身が地域の社会資源を活用・参画しながら認知症看護・ケアを学習できる可能性が示唆された.

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