村上春樹の文学世界 〈一〉 ─ 「地下二階」の意味をめぐって─

機関リポジトリ HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • The Literary World of Haruki Murakami <1> : The meaning of “2nd Basement Floor”

この論文をさがす

抄録

村上春樹の作品は、世界中で絶大な人気を誇り、幅広い読者層の支持を得て、高く評価されている。その要因はいったい何なのか。村上春樹がデビューした当初は、そのアメリカナイズされた面が喧伝される向きもあった。しかし村上文学が世界的な広がりを見せるにつれて、そうした要素だけでは理解できなくなってきた。では、村上春樹の作品の何が、世界的に評価されているのか。それを考えるヒントになるのが、村上春樹自身が創作の際に「降りていく」という、人間の意識の最下層の部分であり、村上自身が「地下二階」呼ぶ空間である。本稿では、村上春樹が描く文学世界の深層の意味を考えるにあたって、この「地下二階」の意味を考察し、そのことで村上文学が世界に広く受容されている要因を考えてみたいと思う。

収録刊行物

  • 日本語日本文学

    日本語日本文学 (30), 1-26, 2020-03-18

    創価大学日本語日本文学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ