中国企業による対日M&A の投資効果に関する一考察―新たなPMI 枠組みによる検証―

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タイトル別名
  • An Empirical Study on the Investment Effect of Chinese Firms’M&A to Japan:A New PMI Framework-based Verification
  • チュウゴク キギョウ ニ ヨル タイニチ M&A ノ トウシ コウカ ニ カンスル イチ コウサツ : アラタ ナ PMI ワクグミ ニ ヨル ケンショウ

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抄録

2000 年以降,中国企業の対日直接投資は増加傾向にある.本論文は中国企業に よる対日M&A(合併・買収)直接投資の効果を検証する研究である.本論文は国 際経済学の分析視点をとり,国際間M&A 研究に関わるPMI の概念を借用して 独自の分析枠組み(3 カテゴリー,7 項目)を再構築した.この分析枠組みに基づ いて本論文は対日M&A 投資を行った中国企業7 社を対象に分析を行った.本論 文の検証によって,もっとも重要な事実発見は3 点あった.(1)中国企業による 対日M&A 投資効果に大きな影響を与えるPMI は,3 つの項目―有形戦略型 資産の統合,無形戦略型資産の統合,グローバル展開のための拠点としての統合 ―に集中している.これに対して,(2)対日M&A 投資効果に限定的な影響を 与えたPMI として,3 項目―ローカル参入のための拠点としての統合,子会社 経営陣の現地化の有無,日本市場中心への統合―が挙げられる.そして,(3) M&A 完成後の投資効果に中間的な影響を与えたPMI は,中国市場中心への統 合という統合項目だけである.

収録刊行物

  • 経済学季報

    経済学季報 70 (1), 1-35, 2020-07-30

    立正大学経済学会

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