性別役割意識と実態― 韓国昌原市における未就学児の親調査にもとづいて ―

書誌事項

タイトル別名
  • セイベツ ヤクワリ イシキ ト ジッタイ : カンコクショウゲンシ ニ オケル ミシュウガクジ ノ シン チョウサ ニ モトズイテ

この論文をさがす

抄録

本研究の目的は,韓国の昌原市に居住する子育て期の父親と母親の役割意識と実態を把握,分析することである。2016年9月から10月に幼稚園,保育所等の協力を得て質問紙による調査を実施した。質問紙は,父親,母親,祖父母用をセットにした500部を配布,父親217部,母親257部,祖父母54部を回収し,本稿では父親と母親票を分析した。平均年齢は父親が39.4歳,母親が37.6歳,子どもは2人が最も多い。家事・育児は,概ね母親が行っており,父親の3割強,母親の4割強は,家事・育児遂行の現状を不公平と感じ,父親の2割,母親の5割は,父親の育児担当を増やしたいと希望していた。父親の6割,母親の4割強は,「夫は生活費,妻は家事・育児」という役割分業を支持する一方で,6割前後の父親と母親は,「夫は家事・育児,妻は生活費」という逆の形も支持していた。父親と母親の8割以上が家事・育児を平等に分担すべきと考え,父親の5割,母親の6割が生活費を平等に分担すべきと考えていた。本調査の結果,多くの父親と母親は,夫婦における役割遂行について柔軟に考えようとしており,変化がみられていることを確認することができた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ