スリランカにおける不自由労働と奴隷制度の廃止

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  • Unfree Labour and the Abolition of the Slavery in Sri Lanka
  • スリランカ ニ オケル フジユウロウドウ ト ドレイセイド ノ ハイシ

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インド洋における奴隷貿易は大西洋の奴隷貿易が廃止後長く継続した。イギリス領スリランカでは、奴隷制廃止はイギリス帝国の直轄植民地となったことで加速化され、イギリス人が廃止を先導した。僅かな期間を除いて、スリランカはイギリス東インド会社の支配を受けることはなかった。奴隷制廃止の過程は漸進的で段階的であったが、奴隷所有者たちは金銭的補償を求めることなくその財産を放棄した。倫理性が強調される雰囲気の中で、古くからの不自由労働――ラージャカーリヤ(Rajakariya、スリランカにおける多数派言語、シンハラ語で「王への奉仕」を意味する)――の残存効果は最終的に絶えることとなった。ラージャカーリヤは何世紀も続いた制度であり、植民地支配とは無関係であった。カーストの義務に基づいた固有の奴隷制および農奴制と同族内の専門職制による労働は、インドの価値観がこの島に深く根ざしていることを示している。奴隷制度の廃止後も継続したラージャカーリヤは土地、労働、資本間の相互の関係を指し示している。

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