<実践報告>PBLカリキュラムにおける長期的な学習成果の直接評価 --新潟大学歯学部でのパフォーマンス評価の縦断研究にもとづいて--

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タイトル別名
  • <Educational Practice Report>Direct Assessment of Long-Term Learning Outcomes in the PBL Curriculum: Based on a Longitudinal Study of Performance Assessment at the Niigata University's Faculty of Dentistry
  • PBLカリキュラムにおける長期的な学習成果の直接評価 : 新潟大学歯学部でのパフォーマンス評価の縦断研究にもとづいて
  • PBL カリキュラム ニ オケル チョウキテキ ナ ガクシュウ セイカ ノ チョクセツ ヒョウカ : ニイガタ ダイガク シガクブ デ ノ パフォーマンス ヒョウカ ノ ジュウダン ケンキュウ ニ モトズイテ

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抄録

本研究の目的は、高次の統合的能力である問題解決能力の変容を、パフォーマンス評価を用いてプログラムレベルで把握することである。対象は新潟大学歯学部のPBLカリキュラムで学んだ学生82名である。独自に開発した評価ツールである改良版トリプルジャンプ(MTJ)を、第2学年から第3 学年におけるカリキュラムの異なる3 時点で実施し、縦断的に学生の問題解決能力を評価した。一方、MTJに用いた3つのパフォーマンス課題の難易度を、課題自体の複雑さと難易度に関する学生の認識という2つの側面から検討した。その結果、学年が進みPBLの学習経験が増えるにつれて、MTJの評価得点は中程度-大の効果量をもって有意に上昇していることが明らかになった。また、パフォーマンス課題はカリキュラムの学習内容を反映して、学年が進むにつれて複雑になっており、課題の難易度に関する学生の認識でも同様な結果が得られた。以上のことから、MTJの評価得点の上昇は、課題の難易度が下がったことによるものではなく、学生の問題解決能力が向上したことによると解釈された。このように、課題の難易度という観点を加えることによって、複数科目でのパフォーマンス評価の結果から、プログラムレベルでの長期的な問題解決能力の変容を評価できることが明らかになった。

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