ウォルター・ベザントの『あらゆる種類と階級の人々』における文化的慈善活動と語りの戦略

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  • ウォルター ベザント ノ アラユル シュルイ ト カイキュウ ノ ヒトビト ニオケル ブンカ テキ ジゼン カツドウ ト カタリ ノ センリャク

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ウォルター・ベザントの『あらゆる種類と階級の人々』に労働者救済の理想的な方法として示された文化的慈善活動が孕む問題点を、語りの戦術の観点から探る。作者は、現実のイースト・エンドの複雑な社会経済問題を文化の欠落による「単調さ」という単純なレベルに置換する。そうすることで支配階級は、父親的温情主義と文化的植民地化の推進によって、自分たちの価値観を労働者階級に植えつけ、恐怖と不安を覚えることなく取り込めるのである。そのロマンス的構造は中産階級読者に容易に受け入れられる半面、アーサー・モリソンらリアリズム作家たちによって自己陶酔的な偽善として否定されることになる。

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    Queries 50 1-17, 2017-11-30

    大阪市立大学英文学会

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