通信情報技術を活用した大学硬式野球部の練習方法に関する事例報告

抄録

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、T大学硬式野球部は全体練習を3ヶ月自粛した。その間、通信情報技術(ICT)を活用してコーチへの動画提出による技術・トレーニング指導、テレビ会議システムを用いた選手間ミーティング、E-mailでの野球ノートの提出や選手間共有などを通じて、体力面、技術面、精神面、コミュニケーション機会の低下を防ぐように努めた。アンケート調査の結果、3ヶ月間の取り組みを通じて成長を感じたと回答した割合は、精神面が78%、技術面が67%、体力面は49%であった。また、自粛明け2週間〜6週間後に実施した各種測定の結果、自粛直後にはスピード、全身持久力が低下した。一方、スピード、最大筋力、パワー、柔軟性、投球速度は6週間後までに自粛前のレベルに回復し、スイング速度は向上した。これらの結果から、練習環境制限下においても、ICTの活用によって、選手とスタッフ間のコミュニケーションを保ちながら、打撃、投球動作の指導を継続することによって、技術面を改善できることが明らかとなった。さらに、選手間ミーティングやノート共有によりモチベーションを維持しながら練習に取り組んでいたことが示された。

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