ビタミンD不足の肥満者へのビタミンD投与は骨密度を増やす

Bibliographic Information

Other Title
  • ビタミン D ブソク ノ ヒマンシャ エ ノ ビタミン D トウヨ ワ コツミツド オ フヤス

Search this article

Abstract

ボディマス指数(BMI)とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数であり、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出される。BMI 値が18.5未満を低体重(やせ型)、18.5以上25未満を普通体重、25以上を肥満とし、BMI 値22が最も病気になりにくいとしている。さらに、BMIから骨密度を算出することができ、以前は、その算出方法を用いると肥満者の方がやせ型より骨密度が高いため骨粗しょう症のリスクが低いと考えられていた1 )。しかし、現在、肥満者は、算出される値による見かけ上の骨密度は高いにも関わらず、骨粗しょう症になりやすく骨折しやすいことが明らかになりつつある2 )。  肥満者が骨折のリスクを高める理由はいくつかある。1 つ目は、肥満者はやせ型と比べて運動能力が低く、転倒しやすいためである3 , 4 )。2 つ目は、内臓脂肪の増加は、炎症性サイトカインの血中濃度を高めて5 - 7 )、それら作用によって骨の健康を阻害し、骨密度を低下させるからである8 , 9 )。3 つ目は、肥満者はビタミンD代謝が低下し活性型ビタミンDの合成量が下がるため、骨代謝が活発になることによって、骨密度が低下するからである6 )。このように、肥満者は様々な理由から骨折しやすい傾向にある。  本稿では、血漿中25-ヒドロキシビタミンD濃度に着目し、ビタミンD不足の肥満者へのビタミンD投与は、骨密度を改善し、骨粗しょう症の予防に有効であるという可能性を紹介する。

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top