「エネルギー自治」の理論的射程

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  • 「 エネルギー ジチ 」 ノ リロンテキ シャテイ
  • Defining “Energy Local Governance” from Theoretical Perspectives

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抄録

福島第1 原発事故以降、日本の各地で地域の住民や企業あるいは地方自治体が、エネル ギー事業に参画しようという動きが目立っている。それらを総称して「エネルギー自治」 と呼ぶことが多く、一種のブームのようになっているが、それは厳密に定義されておら ず、論者によって含意は多様である。地方自治論などを踏まえてこの定義を試みるのが、 本稿の目的である。 本稿における議論の結果、「エネルギー自治」は、「行政、事業者、住民といった地域に 根差した主体が、エネルギーの需給にまつわる規制・振興及び事業経営について、地域の 利害の観点から関与すること」と定義された。それは、①自治体によるエネルギー行政、 ②エネルギー行政への住民参加、③地域主体によるエネルギー事業、④公有エネルギー事 業の4 つの領域に分類できる。このような「エネルギー自治」は、欧州では電力自由化や 再生可能エネルギーの大量導入を受けて、1990年代以降に活発化してきたが、日本でも福 島事故を経て同様の動きが起きつつある。

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