中国型多国籍企業に関する試論

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タイトル別名
  • A Tentative Assumption on Chinese Style Multinational Enterprises
  • チュウゴクガタ タコクセキ キギョウ ニ カンスル シロン

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抄録

中国の対外直接投資や企業の多国籍化については,すでに多くの視点からアプローチされている.本稿の問題関心は,後発国中国の多国籍企業は,どのような「型」を示すかにある.中国型多国籍企業の型とは,先進国や先発国及びほかの途上国の多国籍企業が示さない特徴である.本稿の分析を通じて中国多国籍企業の「型」が下記の諸側面に強く映されていることがわかった.つまり,投資立地選択において強い途上国地域向け指向であること,投資主体が,一般的には民間企業のみなのに対し,公有企業と民間企業であること,投資の動機が戦略的資産の獲得であること,投資方式が先進国への主要手法であるM&A であること,競争優位に多い「イレギュラー競争要素」が存在すること,技術戦略は「逆向き」技術の獲得であること,最初から強い現地化を指向しているため海外現地事業運営を図っていること,最後にその海外現地での市場戦略としてボリューム・ゾーン市場の下層部,BOP 市場を狙って海外進出を果たし,MOP・TOP 市場に参入することを掲げていることなどが特徴として挙げられる.

収録刊行物

  • 経済学季報

    経済学季報 70 (4), 1-45, 2021-03-29

    立正大学経済学会

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