<論説>女の仕事/男の仕事のポリティクス --ドイツ帝国郵便における性別職務分離の見取り図と展望-- (特集 : ジェンダー)

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Die Politik der Frauen- und Männerarbeit: Grundriss der Geschlechtertrennung am Arbeitsplatz in der Deutschen Reichspost und seine Perspektiven (Special Issue : Gender)
  • 女の仕事/男の仕事のポリティクス : ドイツ帝国郵便における性別職務分離の見取り図と展望
  • オンナ ノ シゴト/オトコ ノ シゴト ノ ポリティクス : ドイツ テイコク ユウビン ニ オケル セイベツ ショクム ブンリ ノ ミトリズ ト テンボウ

この論文をさがす

抄録

歴史を振り返れば、人は有償であるか否かを問わず何らかの活動を行い、ここで、女の仕事/男の仕事の線引きが行われてきた。この過程は「女」と「男」の織り成す関係史という意味で、まさに「ジェンダー史」であり、そこに「人種」と階級が不可分に作用して、歴史の大きなうねりを生み出してきた。本稿では、一九世紀後半から二〇世紀半ばまで、ジェンダー、階級、「人種」、そして時には、そこに情報通信技術がいかに相互に影響し合い、特に電信業務から電話交換業務に女性が移動し、電話交換業務が男性の職業から女性の職業に移り変わったのか、その線引きの過程に着目したい。まずは、ある職業が女性化/男性化する「性別職務分離」の分析の視角、歴史と射程を明らかにし、中でも性別職務分離の過程における国家の両義的な役割を浮かび上がらせ、最後にナチス期の逓信事業内部における性別職務分離の展開について検討し、その意味と今後の課題についてまとめたい。

収録刊行物

  • 史林

    史林 104 (1), 188-225, 2021-01-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ