東アジアにおけるポストコロナ時代の新型コロナウィルス感染症対応と連帯の可能性

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  • ヒガシアジア ニオケル ポスト コロナ ジダイ ノ シンガタ コロナ ウィルス カンセンショウ タイオウ ト レンタイ ノ カノウセイ

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本稿の目的は、新型コロナウィルスによる感染症の押さえ込みが一定程度の成果をあげてきたことで世界的にも評価されている東アジアの国や地域での対応を検討し、新たな都市間連帯の可能性を探ることである。欧米の国々では都市封鎖を何度も経験しており、日本では初期対応の遅れが指摘されるなか、二度目の「緊急事態宣言」の発出を余儀なくされている。一方、台湾をはじめ、韓国や香港では初期対応への成功が評価された。本稿は、その成功の要因を探るため、とりわけ2020年8月までの出来事や対応を中心に検討し知見を得ることにした。各国の経験を検討した結果、台湾や韓国では、SARSやMERSの経験が活かされ、感染症への対応に必要な制度や組織等の備えがあった点、そして情報公開の透明性や、信頼が持てる政治的リーダーの存在もあり、コロナ禍への対応に迅速に乗り出すことができた点等が評価された。また香港では、政府への不信から市民社会が積極的に対応に乗り出したことが成功要因の一つとして挙げられていた。今後は、これまでの対策の効果をさらに検証し、災害対応等に有効な、新たな都市間連帯の可能性を模索していくことが求められる。

Journal

  • 都市と社会

    都市と社会 5 10-21, 2021-03

    大阪市立大学都市研究プラザ

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