教育議論におけるNHK『中学生日記』の役割 --制作者側・視聴者側の語りを中心に--

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タイトル別名
  • The Role of NHK Chugakusei Nikki in Discussion on Educational Issues: Focus on Its Producers and Readers' Narratives
  • キョウイク ギロン ニ オケル NHK 『 チュウガクセイ ニッキ 』 ノ ヤクワリ : セイサクシャガワ ・ シチョウシャガワ ノ カタリ オ チュウシン ニ

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抄録

NHK『中学生日記』は1972年から2012年にかけて毎週放送されたNHK名古屋放送局制作の社会教育番組である。本稿は、その制作者側・視聴者側の語りを主な分析対象に据え、「ゆとり教育」が「国民的な合意」と見なされていくプロセスの一端を示した。1970年代から1980年代半ばまでの『中学生日記』は、制作者側の構想通りに、「受験戦争」と「選別教育」といった教育制度の問題を人々に提起し、それぞれの意見を述べさせる役割を果たしていた。1980年代半ばにおける臨時教育審議会の設立を境に、教育制度の問題への番組制作者側・視聴者側の関心は低くなり、学校と家庭が青少年の教育において果たすべき責任は議論の争点となってきた。2003年度以降、「ゆとり教育」の本格的実施と青少年問題の沈静化を背景に、『中学生日記』は制作者側によって中学生向けの番組として捉えられていくと同時に、教育議論への影響が小さくなってしまった。

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