絵本に関わる保育の展開における保育者の役割 : 実践事例をもとにした検討

Abstract

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研究レポート

絵本に関わる保育における保育者の役割について、実践事例11本をもとに分析をした。実践に示された絵本や図鑑の傾向として、生き物が中心の内容が多く、くりかえしのおもしろさと安心感があるものや、保育者の意図やねらいが強くこめられたものがみられた。年齢と絵本に対する保育者の配慮では、子どもの発見をたいせつにすることや、時間をかけて子どもの気づきや行動を待つこと、絵本以外の保育の教材を取り入れることの重要性を確認できた。いずれの保育者も、絵本を効果的に生かした実践を子どもとともに行っていることが明らかとなった。保育者には、子どもの実体験を尊重した絵本体験を保障することや、子どもの要求をとらえた保育を行うこと、子どもを信頼し、子どもの時間を保障し、子ども集団を育てることが求められる。そのためには、日頃からの子どもの思いを受けとめ、子ども同士をつないでいく関係づくりやクラス集団づくりが必要である。

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  • センターレポート

    センターレポート 40 35-42, 2021-03

    別府大学短期大学部幼児・児童教育研究センター

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