ディープラーニングを用いた顔表情に対する脳反応と性格特性指標との相関に関する研究

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  • ディープラーニング オ モチイタ カオ ヒョウジョウ ニ タイスル ノウ ハンノウ ト セイカク トクセイ シヒョウ ト ノ ソウカン ニ カンスル ケンキュウ

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言語獲得前の乳児の顔表情は感情や欲求の表出手段であり、養育者にとって養育行動を取る上での重要な情報源となる。しかし、笑顔や泣き顔などの顔表情を見たときに喚起される情緒的反応には個人差が認められ、様々な要因が脳内の活動に影響を与えていると考えられる。その個人差が生じる要因の一つとして、個人の性格特性がある。そこで本研究では、青年期成人を対象として、乳児及び成人の表情顔に対する脳反応を機能的近赤外線分光法(fNIRS)で測定し、ビッグ・ファイブの5 次元性格特性との関連性をディープラーニング(深層学習)の手法を用いて検討した。前頭前野の脳賦活のパターンを入力信号、性格特性の各指標値を出力信号として、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の手法で解析した結果、計測された脳賦活パターンから性格指標を20%以内の誤差で予測できることが分かった。また、予測精度はビッグ・ファイブの各次元によって異なり、各次元のスコアの標準誤差に依存した。この結果から、顔刺激に対する脳反応が個人の性格特性によって異なることが示唆された。今後、顔刺激以外の視覚刺激に対しても同様の実験を行い、脳賦活という生理的反応と性格特性という心理的要因の相関をディープラーニングの手法を用いてより詳細に明らかにしていく予定である。

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