学校給食への米粉パン導入による効果 : 千葉県の事例から

書誌事項

タイトル別名
  • Educational effects on school children by the introduction of rice-flour-bread into school lunch
  • ガッコウ キュウショク エ ノ ビゼフン パン ドウニュウ ニ ヨル コウカ : チバケン ノ ジレイ カラ

この論文をさがす

抄録

近年,食料自給率向上を主な目的とし,米粉が登場した。多くの研究やメディアで取り上げられ,一般消費者が目にする機会が増える中,学校給食への導入も進められてきた。これは,自給率向上という根底にある目的のほかに,児童が新しい米の食べ方を知り,更には,日本の食文化である米,その背景にある農業問題の関心へとつながる期待が持てる。しかし,こうした米粉による教育的効果に関する調査・研究は未だ十分になされていない。そこで,本稿では,米粉パン導入による効果を明らかにするため,千葉県内の導入市と未導入市の児童を対象にアンケート調査を行い,ロジスティック回帰モデルを用いて統計的に分析を行った。その結果,導入市の児童の方が,米粉の認知度が高く,給食以外でも米粉食品を食べていることが認められた。しかし,学年間の知識の差の影響は無視できない。したがって,今後更なる米粉の消費拡大を実現するためには,児童へのPRの工夫や,メニューの多様化によって家庭での活用を促進する必要があると考えられる。その点から,給食での米粉パン提供による家庭への宣伝効果を高めることができれば,国産米消費も増加し,自給率向上にもつながるといえる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ