動機づけに関する教育心理学的概念としての達成目標理論について現職教員がイメージする教育実践事例の分析

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  • ドウキズケ ニ カンスル キョウイク シンリガクテキ ガイネン ト シテ ノ タッセイ モクヒョウ リロン ニ ツイテ ゲンショク キョウイン ガ イメージ スル キョウイク ジッセン ジレイ ノ ブンセキ
  • Instances of psychological concepts on motivation in educational settings: On achievement goal theory

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本研究は,鎌原ら(2011)に引き続き,学校心理学のなかでも動機づけに関連した概念について取り上げ,それらの概念が教育実践の側にある現職教員のなかでどのような体験事例と関連づけて理解されているかを調査により明らかにしようとした。教員免許更新講習の受講者(現職教員)142名を対象に「教育心理学,学校心理学」の講義に先立ち教育心理学,学校心理学に関する12の用語について理解度・有用度を評定させたあと,達成目標理論を含めて達成動機づけについて講義を行った。講義終了後,達成目標理論の概念をあてはめてみることでよりよく理解できる教育現場での事例を自由記述により収集した。理解度・有用度は鎌原(2011)の結果と概ね同一であり,これらの結果は安定してものであった。自由記述であげられた事例は,児童生徒の目標志向性の違い,およびそれと児童生徒の動機づけのありようの違いに関するものと,教員の側が目標の考え方について,どのような信念を持っているか,あるいはどのような指導を行っているかに大別された。前者は人格変数としての目標,後者は状況要因としての目標と考えられる。さらに発達的な目標志向の変化,2つの目標を統合する可能性についての記述がみられた。達成志向性と動機づけとの関連については,概ね理論的陳述と一致するものであったが,伝統的な2つの目標を階層的に統合する可能性や自己決定理論等他の理論との統合的理解の可能性が事例から示唆された。

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