木曽地域で食される“すんき漬”の抗アレルギー効果に関する疫学的検討

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抄録

長野県木曽地域に伝わる“すんき漬"にはⅠ型アレルギーに関与するIgE抗体を抑制する植物性乳酸菌が含まれていることが報告されている。すんき漬の抗アレルギー効果を調べるための自記式調査票による調査を王滝村に実際に居住する全村民(910人)に実施した。回収率88.2%であり、回答者の76.6%が冬季にすんき漬を食し、64.1%がすんき漬を好んでいた。冬の間のすんき漬摂取の有無、煮大豆、・みそ(味噌汁として)・豆乳・乳酸菌飲料・ヨーグルトの摂取、飲酒、喫煙を説明変数としてロジスティック解析を行った結果、食物アレルギーの有無には豆乳の摂取(p=0.02)、アレルギー疾病の有無には煮大豆(p=0.03)・乳酸菌飲料(p=0.02)・ヨーグルトの摂取(p<0.00)が有意に関係している結果であった。冬の間のすんき漬の摂取は食物アレルギーの有無(p=0.10)、アレルギー疾病の有無(p=0.14)の両方に関して有意な関係はみられなかったが、オッズ比がそれぞれ1.81、1.38であった。

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信州公衆衛生雑誌 2(1): 64-65(2007)

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