「再構」再考 : 日本言語学史の一断面

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  • Reconsideration of Reconstruction : Notes on the History of Linguistics in Japan

抄録

比較言語学の用語である Reconstruction の訳語は,「再構」とも「再建」とも使用されている。服部四郎は1950年代半ばから亡くなるまで「再構」を使ってきたが,2018年に出版された『日本祖語の再建』では「再建」となっている。その補注をおこなった上野善道は「再構」が服部によって導入された訳語との認識を示したが,小論ではそれを検証した。その結果,「再構」の初出はソシュールの翻訳『言語学原論』(1928)で小林英夫が使用したもので,ほぼ同時期に,泉井久之助,新村出など,京都大学出身者によって使用されるようになった。一方,「再建」は新村がイェスペルセンを訳出した1901年が初出であった。また,「再造」「再現出」などの訳語もみられた。

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