日本語の人名における表記の冗長性 : 関係形態論の観点から

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  • Orthographical Redundancy in Japanese Personal Names : A Relational Morphology Account

抄録

近年の日本人名には,漢字を冗長に用いるものが散見される。「水月/mizuki/」は/zu/の部分が,「咲希/saki/」は/ki/の部分が,「花奏/kanade/」は/ka/の部分が,それぞれ2つの漢字の読みの一部となっているように見える。本稿では,これらの非規範的な名前を関係形態論の観点から分析する。「水月」型の名前は,composium(compose + symposium)のような,構成要素どうしが音韻的に一部重なる混成語と同様に扱える。一方,「咲希」型と「花奏」型については,(The) Beatles(beat + beetles)のような包含型の混成語に似ているものの,構成要素の表記をともに残している点で異なる。この独自性は,漢字を用いた命名法の創造性の一端を示している。

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