Deducing the intentions of the composer through an analysis of contemporary performance and score notation in Brahms'works

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  • ブラームスとアルペジオ -当時の演奏から楽譜上に現れた/現れなかったアルペジオの意味合いを読み解く-
  • ブラームス ト アルペジオ : トウジ ノ エンソウ カラ ガクフ ジョウ ニ アラワレタ/アラワレナカッタ アルペジオ ノ イミアイ オ ヨミ トク

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Abstract

今日では全く耳にすることがなくなったが、20世紀初期までのピアノ演奏には、和音をアルペジオ化して演奏するなど、音を鳴らすタイミングをずらして演奏する習慣があった。本論文では、微妙なニュアンスが丁寧に書き込まれたことで知られるブラームス作品において、アルペジオ表記がそうした演奏習慣が反映されたものであるのか、当時の演奏録音と対照させることで確認した。  そこから明らかになったのは、ブラームスはアルペジオ表記を用いることで、「どこで」和音を崩すかではなく、「どのように」和音を崩すかを示唆していたことである。  ブラームスは、表記の有無に関わらず為された当時の演奏家たちの和音を崩す演奏習慣を楽譜上に示唆しただけでなく、それをどのように演奏するかといった、具体的な身体運動をも、そこに示していた。

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