死を目前にした作家の心象風景 : ジョン・アップダイクの Endpoint

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タイトル別名
  • The Final Scenery in Updike’s Mind’s Eyes : John Updike’s Endpoint
  • シ オ モクゼン ニシタ サッカ ノ シンショウ フウケイ ジョン アップダイク ノ Endpoint

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抄録

本論はジョン・アップダイクの最後の作品となった詩 Endpoint を創作過程における作家の病状と重ねて分析することにより、死を目前にした作家の心象風景を明らかにしたものである。アップダイクは若い頃より苛まれてきた死の恐怖を芸術と宗教に慰めを得ながら自己の存在意義を確立することで緩和してきた。特に自分の遺伝子が子や孫に受け継がれ自分が生命のリンクとして自然の営みに関わっているという認識は死の恐怖の緩和において重要であった。余命を宣告された後も彼は「苦痛を蜜に変える」創作活動に頼りながら死と向き合い、時には不安や動揺も表すが、最後には晩年に完成させていた、神の創造物であるこの世のすべてを受容するという世界観に従い、生も死も良きものとして受け容れる。

収録刊行物

  • 研究論集

    研究論集 114 121-138, 2021-09

    関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部

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