大腿骨骨折を経験した高齢者の語りからみる生活課題とストレングスの特徴 ―入院から退院後の在宅生活を中心に―

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タイトル別名
  • Analyzing firsthand experiential accounts in order to draw conclusions relevant to hip fractures among the elderly ― from hospitalization to home life after discharge―
  • ダイタイコツ コッセツ オ ケイケン シタ コウレイシャ ノ カタリ カラ ミル セイカツ カダイ ト ストレングス ノ トクチョウ : ニュウイン カラ タイイン ゴ ノ ザイタク セイカツ オ チュウシン ニ

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抄録

本研究は、大腿骨骨折を経験した65歳以上の高齢者6人に、大腿骨骨折の体験から生じた不安や生活の困難さなどについてインタビューを行い、入院中から在宅生活に至るまでの生活課題と当事者がもつストレングスの特徴を明らかにした。調査の結果、入院中では①退院後の生活を見据えることで生起する意欲や他者との交流が与える影響により課題の深刻度を緩和させる可能性があること、②身体・健康面での課題は退院後の在宅生活において身体的回復や骨折に係る様々な経験を通じて健康面の意識向上と人生観の変容へつながりうることが明らかになった。さらに、③退院後は家族への感謝の気持ちが再認識もしくは増幅されることがあること、④入院中と退院後における課題のうち身体・健康面の課題は質を変えながら引き継がれていること、⑤在宅生活へと移行することでそれまで制約のあった他者との交流が回復し入院前より強化されることがあること、⑥退院後の生活では当事者が抱える課題よりもストレングス部分が強化されればQOLを向上させる要因になり、ストレングス部分よりも課題が強化されればQOLを低下させる要因になりうることが明らかになった。

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