自動車産業における分業構造の変化とその中国へのインパクト

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タイトル別名
  • The Change of Division Structure in Automobile Industry and Its Impact on China
  • ジドウシャ サンギョウ ニ オケル ブンギョウ コウゾウ ノ ヘンカ ト ソノ チュウゴク エ ノ インパクト

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抄録

現在,自動車産業は,CASE 化と呼ばれる構造的変化に直面している.自動車産業の大変革は従来の産業分業構造を再編させる.本稿の問題関心は,「現在,進行中の自動車産業における分業構造の再編が中国に与えるインパクトは何であるか」にある.これまでの中国自動車産業における分業構造は,伝統型自動車産業に向いていないとされる特徴―水平的な分業関係,完成車メーカーとサプライヤーの相互間における市場的取引指向関係,長期的取引関係の不在,など―を持っている.これらの特徴は,「疑似的オープン・モジュラー型」アーキテクチャ の特色を強く映している.本稿の分析を通じて下記の論点が明らかにされた.つまり,中国自動車産業における現在の分業構造は,今後の次世代自動車時代の好条件になる可能性がある.何故なら,自動車のCASE 化は,「標準化,量産化,モジュール化」とつながりやすいため,水平分業構造を有する国にとっては,適応しやすいからである.言い換えれば,自動車産業のCASE 化は,中国の自動車産業における産業的弱みを強みに転換させる可能性がある.

収録刊行物

  • 経済学季報

    経済学季報 71 (2), 1-33, 2021-10-22

    立正大学経済学会

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