可食性スケトウダラすり身フィルムの調製と性状

• 翁 武銀

  東京海洋大学海洋食品科学科

• Patricia Yuca Hamaguchi

  Department of Food Science and Technology, Tokyo University of Marine Science and Technology

• 珠玖 裕介

  東京海洋大学海洋食品科学科

• 田中 宗彦

  東京海洋大学海洋食品科学科

書誌事項

タイトル別名

• Preparation and Characterization of Edible Films from Alaska Pollack Surimi
• カショクセイ スケトウダラ スリミ フィルム ノ チョウセイ ト セイジョウ

抄録

pH 2～4とpH 7～11において，スケトウダラすり身から可食性フィルムを調製することに成功した．これらフィルムの性状におよぼすpHの影響とフィルム形成メカニズムを検討し，次の結果を得た．<BR>(1) すり身タンパク質の等電点（pH 5.2～5.5）から離れるにしたがって，調製したフィルムは強度と透明性に富んでいた．<BR>(2) フィルムの引っ張り伸び率，水蒸気透過性および水に対する溶解性はpH による影響をほとんど受けなかった．<BR>(3) α-キモトリプシンによるタンパク質消化率が高いことから，すり身フィルムは可食性フィルムとして利用できることが示唆された．<BR>(4) 酸性側で調製したすり身フィルムではミオシン重鎖の分解が，アルカリ性側ではミオシン重鎖の多量化が観察され，フィルムの機械的性質との関連性が認められた．<BR>(5) 酸性側では疎水結合が，アルカリ性側では疎水結合の他にジスルフィド結合が，すり身フィルムの形成に主として関与していた．<BR>本研究で調製したすり身フィルムを実際に使用するにはその強度が不十分であるため，現在すり身フィルムの機械的性質の改善方法について検討している．

収録刊行物

• 日本食品科学工学会誌

  日本食品科学工学会誌 53 (2), 103-108, 2006

  公益社団法人 日本食品科学工学会

キーワード

• Food Science

詳細情報

• CRID: 1390282681385231104
• NII論文ID: 130000052152
• NII論文ID: 30026742804
• NII書誌ID: AN10467499
• DOI: 10.3136/nskkk.53.103
• ISSN: 18816681
• ISSN: 1341027X
• NDL書誌ID: 7812469
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I7812469
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可