低水分においてマイクロ波加熱した焼成菓子類の破断物性

• 肥後 温子

  文教大学女子短期大学部

• 和田 淑子

  関東学院大学人間環境学部

書誌事項

タイトル別名

• Features of Microwave Heating on Breaking Properties of Confectionery in Low Moisture
• テイスイブン ニ オイテ マイクロハ カネツ シタ ショウセイ カシルイ ノ ハダン ブッセイ

抄録

低水分のクッキー様生地と吸湿市販菓子を加熱することにより, マイクロ波加熱による破断物性の特徴を調べ, 変化要因を検討した.<br>1. マイクロ波焼成品はオーブン焼成品に比べて破断エネルギーが3倍前後増大し, 生地の含水率が約10～20%高いオーブン焼成品の破断物性値と近似した. 官能検査の結果でも, マイクロ波焼成品は硬い, もろくない, かみ砕きにくい, 歯ごたえがあるなどの項目で, オーブン焼成品と明らかに異なることが示された.<br>2. 破断物性値と糊化関連値 (膨潤度, デンプン溶出率, α化度) との間には高い正の相関が認められ, 硬化要因として糊状物質の充填補強効果が示唆された.<br>3. マイクロ波焼成品は含水率15%前後の吸湿試料においても, 糊化が開始され, 破断物性値が増加することがわかった.<br>低水分域での昇温速度が速く, 試料内部が高温になるマイクロ波加熱特有の昇温特性が, 物性変化を加速すると考えられる. しかし, この現象が起きる要因として, 自由水の一時的な増加などの水の状態変化を考慮しないと説明できない部分が多い.

収録刊行物

• 日本食品科学工学会誌

  日本食品科学工学会誌 52 (7), 297-305, 2005

  公益社団法人 日本食品科学工学会

キーワード

• Food Science

詳細情報

• CRID: 1390001206407535488
• NII論文ID: 130000052509
• NII書誌ID: AN10467499
• DOI: 10.3136/nskkk.52.297
• COI: 1:CAS:528:DC%2BD2MXps1CgtLY%3D
• ISSN: 18816681
• ISSN: 1341027X
• NDL書誌ID: 7377915
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I7377915
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/52/7/52_7_297/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可