水素化脱硫触媒の初期活性劣化に及ぼす常圧残さ油中のアスファルテン含量と触媒平均細孔径の影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Asphaltene Content in Atmospheric Residue and Mean Pore Size of Catalyst on Initial Deactivation of Hydrodesulfurization Catalyst
  • スイソカ ダツリュウショクバイ ノ ショキ カッセイ レッカ ニ オヨボス ジョウアツザンサユチュウ ノ アスファルテン ガンリョウ ト ショクバイ ヘイキンサイコウケイ ノ エイキョウ

この論文をさがす

抄録

常圧残油の水素化脱硫反応(HDS)を細孔径の異なるγ-アルミナに担持したニッケル-コバルト-モリブデン触媒を用いて,深度脱硫条件で常圧残油の反応を行い,水素化脱硫(HDS)活性,水素化脱メタル(HDM)活性および触媒活性劣化に及ぼす細孔径の影響を検討した。HDM活性は細孔径とともにわずかに増加したが,HDS活性は細孔径とともに減少した。また,大きな細孔径をもつ担体に担持した触媒の初期活性劣化は,中位の細孔径をもつ触媒よりも大きくなった。<br> 大きな細孔径をもつHDS触媒(40%)と中位の細孔径をもつHDS触媒(60%)の組合せ,あるいは二つの触媒の充填順序を変えて反応を行ったが,組合せによる触媒寿命の延長効果は小さく,特に大きな細孔をもつ触媒を上流側に配置すると触媒寿命は短くなった。アスファルテン(ASP)を多く含む重質な深度脱硫操作に対しては,中位の細孔径をもつ触媒がすぐれた性能を発揮することが分かった。<br> これらの結果を説明する目的で,反応温度付近におけるASPの触媒担体への吸着実験を行った。ASPの吸着量は,低温では細孔径とともに増加したが,温度の上昇に従い,細孔径による吸着量の差が小さくなった。すなわち,ASP分子は高温になると,ミセルの状態を解いて比較的小さな分子になった。さらに,硫黄を含むASPは触媒担体に吸着しやすい性質をもつことが分かった。このような化学的相互作用により,アルミナはHDS触媒の担体として高性能を示すと考えられる。<br>

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (18)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ