差分画像を用いた就寝中の患者見守り方法の検討

DOI
  • 岡田 志麻
    大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
  • 大野 ゆう子
    大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
  • 高 亜罕
    大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
  • 王 媛媛
    大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
  • 加藤 久美
    大阪大学大学院医学系研究科子どものこころの分子統御機構研究センター
  • 毛利 育子
    大阪大学大学院医学系研究科子どものこころの分子統御機構研究センター
  • 谷池 雅子
    大阪大学大学院医学系研究科子どものこころの分子統御機構研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation into Using Difference Images to Monitor Sleeping Patients

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抄録

病院における患者の安全確保という観点から,就寝中の患者の様子を見守るシステムの必要性が考えられる.実際の臨床現場において,患者の年齢,病状,状態によっては,センサによるベッドやベッド付近の配線によって事故が起こる可能性があるため,患者をセンサ類から完全に切り離した無拘束状態での見守り技術が必要となってくる.そこで,本論文では,実際の臨床現場において,実現可能と考えられる動画像の差分処理を用いた患者見守り方法を提案した.本手法では特に患者の動作の大きさを検出することが重要と考え,まず,検証実験として,臨床現場の外で健常被験者1名に対し,被験者の移動相当量の算出を行った.これにより,差分画像による移動相当量の妥当性が確認できたため,さらに臨床現場での有用性の検討を行った.有用性を示すため,移動相当量と睡眠状態との関連を検討した.臨床実験では,小児の患者1名を対象とし,就寝時の睡眠ステージと差分画像による体動計測を同時に行った.この結果,差分画像による体動と睡眠ステージの推移の間に関係が見られ,就寝時の見守りとして有用であることが示唆された.この手法の利点としては,患者が全くの無拘束であることに加え,センサによるベッドやベッド付近の配線が必要ないため患者に対して完全に非接触であり,差分画像を残し,元画像を破棄することで患者のプライバシーも守ることも可能である.

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