「カエルの大量死」―両生類の新興感染症―  [in Japanese] Massive Deaths in Frogs ? Emerging Infectious Dsease in Amphibians—  [in Japanese]

Access this Article

Search this Article

Author(s)

Abstract

国際自然保護連合の調査によれば(http://www.iucnredlist.org/amphibians/redlist_status),2008年現在,世界には約6,000種類の両生類がおり,そのうち,32.4%が絶滅あるいは絶滅に瀕しているとされている。両生類の個体数を減少させる原因としては,生息域の破壊がもっとも重要で,次に環境汚染,森林火災,外来種圧,感染症などが続く。このうち,感染症は1980年代以降,世界各地で劇的な両生類の個体数減少に関っているとされ,他の原因より種の絶滅を引き起こす確率が非常に高い。これは,感染症の特性に起因するもので,たとえ病原体が少数であっても,一旦,地域に持ち込まれ宿主を獲得すると,無尽蔵に増殖し,ヒト,動物や物流を介して拡散していく。自然界にあっては,病原体の拡散をコントロールする,あるいは排除することは極めて困難である。<BR>以上のことから,公衆衛生上および動物衛生上の問題および生態系の保全を考慮し,2008年5月国際動物保健機構は野生動物の感染症に関する提言を行い,あわせて,重要な監視すべき伝染病をリストアップした。その中には,両生類の感染症として,カエルツボカビとイリドウイルスが挙げられている。ともに両生類の新興感染症として捉えられ,カエルツボカビは,1999年に1属1種の新種のツボカビとして登録された。イリドウイルス科ラナウイルスによる両生類の感染症は,1968年にオタマジャクシ浮腫病として報告されているが,1990年後半から世界各地での流行が報告されるようになった。カエルツボカビに関しては,すでに本誌において,黒木俊郎博士(神奈川県衛生研究所)が解説しているので(11巻1号,2007年7月),ここでは,最近,国内で発見されたイリドウイルス科ラナウイルス感染症について解説する。<BR>イリドウイルスの「irido」は,ギリシャ語のiris, iridos(虹色)に由来し,感染細胞の中に集積したウイルス粒子が虹色を呈することから命名された。大型の正二十面体のウイルス粒子(球形ビリオン)で,直径は属によって多様で120~360nm。直鎖状の2本鎖DNA(サイズ140~303kbp)のウイルスである。ウイルスの複製には核が関与し,細胞質内にカプシドが集積して(細胞質内封入体として確認される属がある),細胞膜より出芽する。宿主細胞膜由来のエンベロープを持つもの(脊椎動物ウイルス,主としてラナウイルス属とリンホシスチス属)と持たないもの(昆虫ウイルス,主としてイリドウイルス属とクロルイリドウイルス属)とがある。後者はエーテル耐性で,他のすべてのウイルスがエーテルおよび非イオン性界面活性剤に感受性がある。<BR>(View PDF for the rest of the abstract.)

Journal

  • Journal of Veterinary Epidemiology

    Journal of Veterinary Epidemiology 13(2), 138-140, 2009

    The Japan Society of Veterinary Epidemiology

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    130000438289
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AA11157349
  • Text Lang
    JPN
  • ISSN
    1343-2583
  • NDL Article ID
    10567124
  • NDL Source Classification
    ZR22(科学技術--農林水産--畜産)
  • NDL Call No.
    Z18-B556
  • Data Source
    NDL  J-STAGE 
Page Top