大脳半球深部にみられた頭がい内結核しゅの1例

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  • A CASE OF INTRACEREBRAL TUBERCULOMA LOCATED DEEP IN THE HEMISPHERE

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抄録

症例は19才,男性. 1979年9月より,肺結核,結核性胸膜炎のため,抗結核薬を投与されていた. 1980年3月,髄膜刺激症状,脳圧亢進症状,右上下肢の不全麻痺を認めた.同年4月,頭部CTで,左大脳半球深部に広範な浮腫を伴iso-densityのmassを認め,造影後CTでは, massは均一に造影された.脳血管造影では,腫瘍陰影は認められなかつた.脳腫瘍(glioblastoma multiforme)との鑑別が困難であり,また腫瘍摘出術ができないため,抗結核薬を強化して,経時的に頭部CTで観察した.腫瘍陰影は縮小し,石灰化を伴うようになつたので,最終的に頭蓋内結核腫と診断した.大脳半球深部に位置する頭蓋内結核腫は,まれであり,頭部CTで頭蓋内結核腫と診断してある例はわずかである.抗結核薬のみで,経時的に観察してある例の頭部CT所見をまとめ, CT像について文献的考察を行なつた.

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