書誌事項
- タイトル別名
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- Relationship between collagen disease and malignancy.
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抄録
膠原病と悪性腫瘍の関達については本邦での詳細な検討が少ない.そこで,両者の関連性と悪性腫瘍合併膠原病の病像を解析した.強皮症(PSS) 117例中7例の6.0%に,多発性筋炎-皮膚筋炎(PM-DM) 41例中6例の14.6%に悪性腫瘍の合併を認めた.死亡例は前者が4例(3.4%),後者が5例(12.2%)で,性,年令,患者観察期間を考慮に入れた死亡率はいずれも一般日本人の悪性腫瘍による死亡率に比べ有意に高かった. PM-DMでは悪性腫瘍のほとんどがPM-DMの発症と同時に発見され,両者の密接な関係が示唆された, PSSでは悪性腫瘍の発症は散発的で,悪性腫瘍による死亡率の増加は肺癌(3例)の増加によると考えられ,肺線維症との関連が推測された.
収録刊行物
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- 日本内科学会雑誌
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日本内科学会雑誌 78 (1), 30-34, 1989
一般社団法人 日本内科学会