積雪の衛星リモートセンシング

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タイトル別名
  • Satellite remote sensing of snow cover
  • セキセツ ノ エイセイ リモートセンシング

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抄録

衛星リモートセンシングによって積雪に関する物理量を抽出する方法及びセンサについて解説した.紫外・可視・近赤外域,熱赤外域,マイクロ波領域における積雪の光学特性は,第一に氷の光学的な性質に依存し,次に積雪粒子や積雪層による散乱,吸収,射出といった放射特性に依存する.このため,積雪の光学特性は非常に大きな波長依存性を持っている.その特徴を利用し衛星リモートセンシングによって抽出可能な物理量は,積雪分布,積雪深,積雪水量,濡れ雪の検知,アルベド,雪面温度,雲検知,積雪粒径,不純物濃度などである.これらの物理量は主に光学センサと受動型マイクロ波センサを使って求められる.光学センサでは空間分解能が高く,大気とのエネルギーのやりとりを直接あるいは間接的に測定できるメリットがある(例えば,アルベドや雪面温度)が,雲がある場合には地表面が見えないため,雲の影響を受けにくい受動型マイクロ波センサもよく用いられる.マイクロ波センサは光学センサに比べ,積雪内部の情報も含んでいるため積雪深や積雪水量といった物理量の抽出が可能である.これら衛星センサの特徴と,積雪に関する物理量抽出の原理を概説する.

収録刊行物

  • 雪氷

    雪氷 69 (2), 155-167, 2007

    公益社団法人 日本雪氷学会

被引用文献 (3)*注記

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