トマトにおける光合成•蒸散, 光合成産物の転流•分配および根の呼吸に及ぼす培地温の影響

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タイトル別名
  • Effects of Root Temperature on Photosynthesis, Transpiration, Translocation and Distribution of <SUP>14</SUP>C-Photoassimilates and Root Respiration in Tomato
  • トマトにおける光合成・蒸散,光合成産物の転流・分配および根の呼吸に及ぼす培地温の影響
  • トマト ニ オケル コウゴウセイ ジョウサン コウゴウセイ サンブツ ノ テン
  • Effects of Root Temperature on Photosynthesis, Transpiration, Translocation and Distribution of 14C-Photoassimilates and Root Respiration in Tomato

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抄録

トマトにおける培地温の変化が光合成•転流•分配•蒸散および呼吸作用に及ほす影響について実験を行った. 光合成•転流•分配および呼吸の測定は14CO2を用いたステディ•ステート•フィーデング•システムで行った.<BR>培地温は22°, 15°, 10°。および5°Cの4段階, 気温は25°C一定とし, 14CO2施与開始から8時間後および24時間後にサンプリングした.<BR>培地温は10~22°Cの範囲では光合成速度には大きな影響を及ぼさなかった. 一方, 蒸散速度は培地温が低下するにつれて低下したが, その原因は気孔の関与のほかにエネルギー依存の水吸収の関与もあると推定された. 根の呼吸速度は培地温の低下とともに低下した. また, 根の呼吸の経時的変化は, 高培地温区では昼間上昇し, 夜間にはそのレベルを維持していたが,低培地温になるにつれて呼吸速度の上昇も小さくなり,夜間には次第に低下していくことが認められた. また,第3葉の転流率は, 培地温の低下にともなって若干低下した. さらに, 光合成産物の根への分配は培地温の低下にともない低下したが, 地上部への分配パターンは大きな影響を受けなかった.<BR>根の全呼吸量は, 本実験の温度範囲では10°C区と22°C区の間には3倍前後の差が認められ, 22°C区では, 第3葉の全光合成量にほぼ匹敵するものであった.これらの得られたデータから, 培地温が作物全体の物質生産量に及ぼす影響について推定を行った.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 63 (1), 81-89, 1994

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (16)*注記

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