リンゴ果実の成熟に及ぼす果実温度の影響

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タイトル別名
  • Effect of Controlled Fruit Temperature on Maturation of Apple Fruits
  • リンゴ カジツ ノ セイジュク ニ オヨボス カジツ オンド ノ エイキョウ

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抄録

リンゴ2品種 (‘ゴールデン•デリシャス’, ‘ふじ’)の樹上において成熟期に果実周辺部の温度を制御し, 果実の温度環境が肥大生長や成熟に及ぼす影響を調査した.<br>1. 果実重は‘ゴールデン•デリシャス’では21°C区でやや優れる傾向が見られたが, ‘ふじ’では果実温の影響は明らかでなかった.<br>2. 果形指数 (縦径/横径) は両品種とも最も高い温度区で最も大きかった.<br>3. 全糖含量は‘ゴールデン•デリシャス’では処理温度が高いほど高く, ‘ふじ’では24°C区, 10°C区, 17°C区の順に高い傾向が認められた.<br>4. 両品種とも処理温度が低いほど全糖中に占める果糖とブドウ糖の割合が低く, ショ糖の割合が高くなる傾向が認められたのに対して, ソルビトールの割合にはほとんど差が認められなかった.<br>5. 両品種ともリンゴ酸含量は処理温度が高いほど低くなった.<br>6. ‘ふじ’の果皮中のアントシアニン含量は10°C区, 17°C区, 24°C区の順に低温区ほど高くなった.<br>7. 以上の結果から, リンゴ果実の肥大生長や成熟に対しては果実そのものの温度環境が直接的に作用する面のあることが示唆された.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 57 (2), 173-177, 1988

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (10)*注記

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参考文献 (5)*注記

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