ヒガンバナ科 (<i>Amaryllidaceae</i>) の球根植物の生育開花習性に関する研究 (第1報)
書誌事項
- タイトル別名
-
- Studies on the Growth and Flowering of Bulbous Plants of <i>Amaryllidaceae</i>
- ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)の球根植物の生育開花習性に関する研究-1-Lycoris属の生育開花習性
- ヒガンバナカ Amaryllidaceae ノ キュウコン ショクブツ ノ セ
- Studies on the Growth and Flowering of Bulbous Plants of Amaryllidaceae
- 1. Growth and Flowering of Lycoris Plants Grown in the Field
- Lycoris 属の生育開花習性
この論文をさがす
抄録
Lycoris 属のうち秋季出葉型のL. albiflora, L. aurea, L.radiata と春季出葉型の L. incarnata, L. sanguinea, L. squamigera の6種について, 球根の構造および自然環境下における生長周期を調査した.<br>1. 球根は年1回仮軸分枝をくり返す. 各仮軸分枝の単位は最下位節の薄膜状りん葉, この上の数節の同化葉, 最上位節の舌状小りん葉, 茎頂の花芽で構成されている. 同化葉の基部は茎軸を全周し, 肥厚して貯蔵器官となるが, その数は種によつて異なり, 5~10葉であつた.<br>2. 母茎軸の生長点で総包が分化するころ, 上位2~3節の同化葉の葉腋に腋芽の形成が認められた. そして最上位節の腋芽は仮軸分枝の次の単位となり, 他の腋芽は子球として発達した.<br>3. 生長点は4月中•下旬にそれまでより幅広く, 扁平となり1週間後に2枚の総包の形成が観察された. 種によってこの段階に達する時期に1~2週間の差があつた.<br>4. 総包形成は L. sanguinea で最も早く認められ, 4月下旬であつた. 他の種では1~2週間おくれた. すべての種において総包形成の1週間後に小花形成, 5週間後に雌ずい形成の段階に達した. 雌ずい形成以後は春季出葉型の種と秋季出葉型の3種とで発育の進みに差を生じた. 前者は6月下旬から7月上旬の間に4分子形成に達し, 8月中•下旬に開花したが後者の4分子形成は8月中旬にはじめて認められ, 開花も前者より約1ヵ月おくれた.<br>5. 仮軸分枝した新しい茎軸上に分化してくる葉の葉間期はすべての種において, 初期に短く, 後期では長くなり9月下旬にはすべての葉の形成が終つた. これらの葉のうち初期に分化した下位節の葉のみが, 前年の母茎軸の上位節に比較的おそく分化し, その年にはまだ未発達でとどまつていた葉とともに, 秋季出葉型の種では開花直後, 春季出葉型の種では翌年の2月中旬に出葉した. そしてそれぞれ5月上旬および6月上旬に枯死した. 春季出葉型の有葉期間は比較的短いが, 個体当りの葉枚数が秋季出型の種より多いことによつて光合成の不利が補われているものと考えられる.
収録刊行物
-
- 園芸学会雑誌
-
園芸学会雑誌 45 (4), 389-396, 1977
一般社団法人 園芸学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001206302736896
-
- NII論文ID
- 130001160807
-
- NII書誌ID
- AN00025257
-
- ISSN
- 1880358X
- 00137626
- http://id.crossref.org/issn/00137626
-
- NDL書誌ID
- 1813418
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可